溝口公認会計士事務所ブログ

京都市在住、大阪を中心に活動している公認会計士です。日頃の業務の中で気になったことを書いています。

決算発表ポイント解説ブログ 【IHIの例】

www.nikkei.com

 

決算発表解説ブログと題しながら、いきなり決算発表でない記事を取り上げてしまった(汗)・・・

この時期は3月決算会社の第3四半期(Q)決算発表の時期だ。2月中旬のタイムリミットまでこれから続々と上場会社の決算発表がなされる。また、決算発表の前に『前さばき』としてこんな数字になるよ~とか、こんな損失が発生するよ~と、いざ決算発表して投資家(や株価)がアップセットしないように事前の情報開示をする会社もある。

IHIはまさにその例だ。

IHIは23日、米国の連結子会社の関係会社株式評価損と国内の関連会社の債務保証に伴い、2017年3月期に計265億円の損失が発生すると発表した。』

 

日経にはこのような書き出し。

要素としては、株式評価損と債務保証の2つがあるので、1つずつ取り上げる。

 

①関係会社株式評価損

米子会社の採算が悪化により個別では関係会社株式評価損として155億円の特別損失を計上、連結ベースでも同様の額が営業損益の押し下げ要因となる。

 

IHIの個別と連結それぞれの影響が書かれているので少々分かりづらいかもしれない。

関係株式評価損(155億円)は、IHI個社の決算で計上される(特別損失)。

 

簡単な例で説明する。

 

親会社が子会社に200億の出資(子会社設立)

 

(親会社)子会社株式 200億円 ⇒(子会社)資本金 200億円

 

子会社の業績が不振で、損失が溜り溜まって、155億円になったとする。

すると、子会社の純資産は

 

(子会社) 資本金 200億円

     △欠損金 155億円

      純資産  45億円

と純資産が45億円になる。親会社から見れば、200億円の投資が45億に目減ったことになる。

このような場合、会計ルールではざっと半値未満に投資価値が下落した場合(さらにいうと、業績の回復が難しい場合)、投資額の価値を切り下げる必要がある。

これが、IHIが今回発表した関係会社株式評価損の意味だ。

 

一方で、IHIグループの連結決算への影響はどうかというと、連結決算では子会社の決算書(P/L、B/S、C/S等)を合計することから連結作業をスタートする。子会社の業績の悪化は子会社のP/Lの至るところに表れているだろうから、それがそのままにIHIの連結P/Lに反映される。

 

これも簡単な例で示す。

155億円の損失は累積的なものだろうが、単純化して今年度の損失が155億円とする。

子会社のP/L

売上高    500

売上原価   400

売上総利益  100

営業費用   255

営業利益  △155

税金費用    0  ・・・営業外、特別は割愛した

当期純利益 △155

とすると、これがIHI親会社のP/Lに合計されるので、連結ベースでは営業利益に155億円の損失が表れることになる。

 

ちなみに、連結決算では、IHI親会社での株式評価損155億円は取り消される。155億円の株式評価損のそもそもの原因は、子会社の業績不振であるが、連結P/Lでは当の子会社の業績(P/L)を取り込んで、結果155億円の損失を反映しているため、株式評価損をそのまま生かしておくとダブるためだ。

 

②債務保証

創薬関連ではは医薬品の製造会社に保証していた110億円の債務を特別損失として計上するとのこと。

債務保証と損失の関係がもしかしたら分かりにくいかもしれない。

UMNファーマと共同設立した会社UNIGENの製造資金及び運転資金に係る債務の保証をIHIが行っていることが話のスタートだ。そして、諸事情により保証債務の 履行可能性及び回収可能性,つまりIHIにとっては債務の肩代わりによる損失の発生の可能性が高まったものと判断し,保証債務額の全額である 110 億円を債務保証損失引当金(特別損失)とし て計上するというものだ。IHIとしては、他人(といっても子会社だが)の借金を代理弁済するが、この支出はIHIにとって将来の投資でもないし、現在や将来の収益獲得のための費用でもない、単なる損失(費用と損失の違いも近くに書いてみよう・・・)だ。今回は、未だ債務保証が履行されたわけではなく、債務保証の履行の可能性が高まったということで引当金として計上されたが、確定損失でも引当金繰入でも会計上、P/Lへの影響は同じだ(税務上の取り扱いは異なる)。

 

 以上、IHIのプレスリリースの内容を説明してみた。

好評であればシリーズ化してみたい(笑)

 

ちなみに、

 

『同社は17年3月期の最終損益をゼロ(前期は15億円の黒字)と見込んでいる。資産売却などにより2月1日の16年4~12月期の決算発表では通期の業績予想を据え置く。』

 

と締めている。3Qの決算発表は同時に本決算(3月)の業績予想とも大いに関係する(投資家の関心)。そのため、会社としては、3Qの業績だけでなくそれも踏まえて本決算をどう着地させるかを考える必要がある。3Q決算はそういうタイミングでもある。

 

IHIのプレスリリースは☟

https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/e6d341b705b3adfc8c4c1f594076aedb.pdf

2人目の社外取締役ってどんな人が適任?

2017年最初の記事はどんな内容にしようとあれこれ考えている内に、1月も半ばが過ぎてしまった・・・

 

で、結局、コーポレート・ガバナンス ネタ(汗)

 

コーポレートガバナンス・コード(CGコード)導入を機に一気に火がついた社外取締役

日本取締役協会の公表によれば、

東京証券取引所コーポレート・ガバナンス情報サービスを利用して、8月1日に集計した結果では、東証1部上場企業1,970社における、独立取締役の数は昨年比で1,301名増えて4,271名となり、取締役総数(18,304名)の23.3%を占める
独立取締役を2名以上選任している企業は、昨年比で31.2%増加して80.3%(1,583社)に、うち3人以上選任している企業は、昨年比で2倍の25.6%(505社)

とのこと。

(参照:

http://www.jacd.jp/news/odid/cgreport.pdf#search=%27%E7%A4%BE%E5%A4%96%E5%8F%96%E7%B7%A0%E5%BD%B9+2%E5%90%8D%27

ここまで急激に増えるとはちょっと驚きだ。

というのも、供給サイド、社外取締役のなり手が確保できるのかという問題があるからだ(後述)。

社外取締役の急増の要因の1つとして、純増以外に会社の機関設計を監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行したことが挙げられる。

(参照:最近流行りの『監査等委員会設置会社』って何? - 溝口公認会計士事務所ブログ

監査役会設置会社では、社外監査役が半数以上(よく見られるのは2名以上)が必要となるが、社外監査役も社外役員であり、監査等委員会設置会社へ移行することによって、社外監査役社外取締役横滑りさせることで、実質的に社外取締役を増員することなく、社外取締役の人数を増加することができる。2016年には、こうした会社が相当数(350社超)に上った。

 

ともあれ、CGコードで要求される項目のうち、社外取締役の複数化への対応は、CGコードへの対応が形式的にも実質的にも進めていることを社内外へアピールしやすいということもあるだろう。

 

ところで、2人目の社外取締役ってどんな人が適任なのだろうか?

 

そもそも1人目がどんな人材かにもよるが、自身が社外取締役を務めていることから1人目は僕のような『士』業ないしは学者を前提として話を進める(笑)

とはいえ、例えば、社外監査役と言うと、期待役割的にも弁護士、公認会計士、税理士のような士業が目立つし、これらを横滑りさせて社外取締役にするとすると社外取締役に占める割合もやはり多いのではないかと思う。

それに、(社外)取締役は株主総会で選任されるため、何故この人なのか?株主に分かりやすく説明できる、ということもポイントだ。その点、士業は法務、経理財務、税務などの専門知識と経験を有し、これらの観点から会社の経営に対する意見を期待できる、という座りの良い説明が可能になる。

そして、大きな声では言えないが、実際のところ、会社の経営に対してあれこれ口出ししない(ことが多い)というのも見逃せない(笑)

⇒会社の意向もあって、僕は色々口出しさせてもらっています、念のため

 

とまあ、1人目の社外取締役が士業のようないわゆる専門家として、では2人目となると、『経営(者)や会社の事業に精通した人材が望ましい」という声が少なくない。

僕も、まあそうかな、と思っていた。

 

しかし、話を進めていくと、そう簡単にもいかないことが分かった。

例えば・・・

 

・供給の問題

要するに、適任者が少ない、ということだ。考えてみれば当たり前の話で、企業経営者であればまず自身の会社を経営しているし、有能であればあるほど通常は多忙であろうから、新たに他社の社外取締役を担うのが物理的に困難ということだ。また、会社の事業内容に精通した人材ということで、例えば他社で技術者として活躍した人材についても、先の経営者と同様に有能であればあるほど困難であろうし、また、競合他社へ移籍することへの不文律を持つ業界もあるだろう。なお、弁護士なども会社との利害関係の点からから社外取締役を引き受けることが難しくなっているとも聞く。社外取締役独立社外役員として、会社からの独立性が問われる。つまり社外の人間であっても顧問弁護士など会社との利害関係が相当に認められる場合は不適格となる。同じ理由で、グループ会社の役員を起用するのも規制が働く。このようにみると、そもそもそんな人材が世の中にどれほどいるのだろうか?上場会社がざっと3,500社として、2人/社とすると、ざっと7,000人…会社経験もあり(とは言えダメ経営者ではそれこそダメなので)、会社の事業にも精通していて、なおかつ、時間的にも融通も利く人材、考えただけでも相当少なそうだ。これが、1人が社外取締役を何社も兼務する背景にあったりもする(それに対して、会社が何社も社外役員を兼務するような人は選任しませんと自主規制をひいて更に選任を難しくしている状況…)

 

この点は、以前にも『怒れ、社内取締役!』として(タイトルは違うけど・・・)社内取締役にエールを送った記事を書いたのでそちらも参照してほしい。

東証新ルール 社外取締役複数化へ 【ボヤキ系記事】 - 溝口公認会計士事務所ブログ

 

・業績改善の実現可能性

CGコードの掛け声は『攻めのガバナンス』コーポレートガバナンスと言うと、エージェンシー問題の低下に資するというか、会社の経営者が出資者である株主の利益を無視した経営をしないように経営者を監視監督することによって会社に損害を与えないようにすることがまずもっての目的だ。

これを『守りのガバナンス』(というか本来のガバナンスだが…)とすると、攻めのガバナンスは、社外取締役にもっと直接的な業績改善への役割を期待する。経営に対してあれこれアドバイスして、場合によっては手も出して、会社の売上、利益、ROEなどの財務指標を改善する、という期待だ。とはいえ、上述のように有能で会社にとって社外取締役になってほしい人材こそ多忙だろうし、月1回の取締役会で意見を述べるのが関の山だろう。取締役会で、仮にどんな素晴らしい意見を言ってくれたとしても、それを実現するのは残された会社のリソースである、ここが問題だ。要するに社外取締役の意見を理解する力、実現のためのプランニング、実行するためのリソースなどが社内にあって初めて、社外取締役のアドバイスが具現化される、ということだ。

なんらかの要因で、そのような社内のリソースが抑圧されており、社外取締役の出現によりそういった圧力から解放されて潜在的な力がいかんなく発揮できるといった会社であれば別だが、そうでなければ、既に実現できているか、あるいはアドバイスだけもらっても現状は変わらない、ということになるのではないかと思う。

つまり、期待される業績改善という役割に即結び付けにくいのではないかと思うのである。

 

これに対して、専門家の社外取締役はどちらかと言うと、そもそもの期待が守りのガバナンスであることが多いし、会社の事業戦略そのものに対する意見よりも、社内の意見形成プロセスに対する意見が多いように思う。そのため、ある意味意見がプロセスの改善などのような成果に結びつきやすいこともある。

 

このように考えると、2人目の社外取締役の選任はなかなか難しい問題に思えるのだが、上場会社のほとんどが2名以上の選任がなされているとのこと。

どのような人選か、興味のあることろだ。

 

 

 

経営トップ選任プロセスの合理化こそコーポレートガバナンス強化の本丸!?

 

 最近の日経、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)関連の記事(特集)が取り上げられている。

 

2016年12月の関連記事一例

統治指針「全て順守」58% 取締役会充実に重点 企業法務・弁護士調査 2016年 :日本経済新聞

 

悩める会社 取締役はいま(上) 生かせぬ「社外の目」 企業統治役割どこまで 現場と投資家に板挟み :日本経済新聞

 

自身が上場会社の社外役員であることもあり、スルーはできない内容。

過去にも、CGコード関連ではこんな☟記事を書いた。

東証新ルール 社外取締役複数化へ 【ボヤキ系記事】 - 溝口公認会計士事務所ブログ

 

コーポレートガバナンスコードの本当の意味とは? - 溝口公認会計士事務所ブログ

 

最近流行りの『監査等委員会設置会社』って何? - 溝口公認会計士事務所ブログ

 

 

『攻めのガバナンス』、現政権の肝いりで指導したCGコードだが、記事内容は、守りのガバナンスに寄った内容。もっとも、本来と言うか、ガバナンスと言えばまずはこっちになるだろう。

 

日経記事で紹介されている、「トップ人事にかかわる改革の遅れを指摘する弁護士が多い」に挙げられている項目を列挙すると、

 

・経営トップの選任プロセスの透明化

・相談役・顧問制度の見直しや廃止

・独立社外役員の選任

・取締役会の充実、取締役会評価の実施

 

CGコードに盛り込まれ、その導入状況や実質的な機能が注目されている事項だ。

 

これらは要は、

 

経営トップの暴走を防ぐ

 

ことを目的としていると言って良いだろう。

 

今更ながらだが、それだけ

営トップは会社の経営判断を左右する重要な存在

だということだ。

 

経営トップの代表格は、代表取締役だが、名目上は代表取締役を辞任しても相談役や顧問と言う立場で実権を振るう院政を含む。不透明な意思決定プロセスと言う点ではむしろこっちが問題かも。

外部から見れば、中興の祖であったとしても、現在は代表権など法的な立場の無い人が会社の実質的な意思決定権者って、考えたら空恐ろしいことだ。

 

暴走と言うのは、経営の失敗を招いた意思決定はモチロン、そこに至らずとも、重要な経営意思決定が、経営トップの勘と経験や思いつきで決められる状況も含まれるだろう。

また、取締役会といった会社の機関は形式だけで、実質的な意思決定はそれ以前の上皇を中心とする御前会議で決まるという意思決定プロセスの不透明さも問題視される。

 

CGコードの取締役会評価も要するに、

取締役会が本来あるべき形で運営されているかどうかを社外取締役を中心に社内(あるいは社外のサポートを受けて)で評価するプロセスだ。取締役会の構成人員、意思決定プロセスについてあるべき運営がなされているかを問うているに過ぎない。多くの会社がこういった評価に慣れておらず、どう評価したらよいかと戸惑ったということはあろうが、CGコードにおける取締役会評価 の導入が遅れている事実は、ある意味、あるべき形で運用されていないと言うことの裏返しかも知れない。

 

さて、

他の株主(オーナー系企業は経営トップ自身が大株主なので)から見て、

その経営判断は合理的なのか?

株主の利益に報いるものなのか?

また、

経営意思決定のプロセスはどうなのか?

 

単なる思いつきで意思決定するのももちろんダメだが、

過去の意思決定の失敗を認めたくない、露呈したくないために、

隠ぺい工作なんてこともあり得る。

 

株主、投資家にとって、自分が投じたおカネが不透明な不合理な経営判断によって使われるかもしれない、となれば

そんな会社におカネを預けることに躊躇するのも当然だろう。

 

となれば、会社の経営判断を大いに左右する存在である

経営トップをどう選任しているか?

が気になるのは当然だろう。

指名委員会等設置会社でなくても、任意で『指名委員会』、『報酬委員会』を設置することをCGコードが求めていることからも経営トップ指名プロセスの透明性や合理性が期待されている表れだろう。

 

ところで、取締役は本来、取締役相互の監視・監督責任がある。つまり、取締役は代表取締役を含む他の取締役を監視・監督する義務がある。

しかしながら、

絶対的権力を持つ経営トップに対する牽制だが、現実問題として社内取締役には期待できない…

 

 そこで、白羽の矢が立ったのが独立社外役員だ。

 

社内の取締役であれば言いにくいことでも、

しがらみのない独立社外役員であれば指摘してくれるだろう、あるいは、経営トップとして相応しい人物を選任してくれるだろう、

と言うことなのだが・・・

 

昭和ホールディングスの事例は、頼みの綱の独立社外役員が期待通りの役割を果たせなかった事実を紹介している。

 

昭和ホールディングスは、従来『指名委員会等設置会社』型の統治形態を採用していた。いわゆる欧米型で、形態としては花丸、二重丸、だ。

果たしてその実態は・・・

記事にもあるが、実質的な意思決定は独立社外役員を抜きで実施とか・・・

生かせぬ(活かせぬ?)『社外の目』

外部の株主、投資家の視点からはまさにそういうことなのだろうが、制度の運用を担う当の会社がこういう意識ではどんな素晴らしい制度も画餅に終わることになる。

意図的に情報を隠されたり、間違った情報を与えられると、ただでさえ社内事情や事業に精通していない社外取締役は機能しない。


昭和ホールディングスは、形式的には社外の目を多用するフリをして、その実、社外の目を活用させないように工作していた訳だ。


また、昭文社の例では、5%超を保有する株主から、任意で社外役員が主導する役員人事と報酬の委員会を立ち上げる、と言う助言に対して、

 

「(社外取締役が人事に大きな影響力を持った)セブン&アイ・ホールディングスのような騒動になるのは困る」

 

社外取締役が主導する役員人事と報酬の委員会を任意で立ち上げる助言に対する昭和HDのホンネが透けて見える

 

裏返せば、

まともなプロセスでは選任されないような人が社内事情により経営トップとなる可能性もあるが、そっとしておいて欲しい

 

外部からすれば、そっとしておけないのだが(笑)

 

CGコードが導入されてまだ2年目、独立社外役員の複数化などCGコードの適用の進行など外堀は徐々に埋まっているが、本丸は未だ遠い・・・

 

 

 

AIは会計監査の信頼性を高めるのか? 【久しぶりのボヤキ系】

 


最近やたらとAI関連の情報が目につくように思う。それだけ注目すべき最先端技術であり、また多くの領域に応用展開が可能という点も話題性に繋がるのだろう。

 

そして、会計監査の分野にもAIを活用しようという動きがある。

記事にもあるように、新日本を始め4大監査法人もAIをいかに会計監査に活用するか研究に取り組んでいる、とのこと。

 

とは言え、未だ研究中ということで、外部に発表されている内容からは、

”あ~、だからAIなのね!”、と膝を打つようなアイデアは聞こえてこない。

 

一見、既に会計監査で活用しているCAAT(Computer Assisted Audit Techniques、コンピュータ利用監査技法)と同様の使い方な印象だ。

企業規模の拡大、会社取引の複雑化に伴い監査対象となる取扱いデータも莫大になると、コンピュータシステムからアウトプットされた情報を

人力のみで監査するのは非効率的だし、また、

会計監査の品質にも影響

がある。人力で監査対象としなかったデータの中の不正を見逃すリスク

があるし、会社から提出されるデータが改ざんされるリスクもある。そこで、企業内に存在する様々な各種データを直接的に監査対象とする。もちろん、コンピュータシステムの信頼性を監査した上でだ。

例えば、売上の前倒し計上が行われやすい期末付近の一定期間の売上取引、利益率が不自然に高い/低い取引、回収期限到来済みの売上債権などを網羅的に抽出して監査対象とする。 

監査対象となるデータの網羅性を確保しつつ、取引を効率的に抽出するという訳だ。

 

では、

AIに移行して、何が飛躍的に改善するのだろうか?

最近の会計監査の失敗の事例を見るに、何らかの改善を講じる必要があることは分かる。

しかし、何故にAI、については現時点では疑問だ。

確かにAIの活用によりCAATよりも精度高く監査対象とすべき、不正の可能性が高い、取引を抽出しやすくなることや、プログラムを常時ランすること(継続監査、常時監査)で、監査対象とすべき取引を適時に発見することは期待できる。

 

会計監査の信頼性とは別に、AIの活用により会計監査人の数を減らせる(コストダウン効果)や、会計監査人に求められる資質も変わるなどとも言われる

コストダウン云々はトータルコストで考えるべきで、人件費だけでなくAIの開発、導入、運用コストを併せてどうなるかが問われるべきだし、時代と共にプロフェッショナルに求める資質やスキルが変わるのは会計監査に限った話でもない。当たり前の話だ。10年後に無くなる職業など言われることもあるが、

どんな職業も全員が等しく儲かる職業などないのであって、話題性はともかくその手の議論は不毛に感じる。

 

話を戻して、

問題は、怪しい取引を発見した『後』の対応ではないかと思う。

CAATにしろAIにしろ、会計不正のニオイのする取引を発見したとして、それで問題解決とはならない。

「AIが怪しい取引と言っています。さあ、白状しなさい」と言って、

「ははあ、お見それしました。申し訳ありません」

という反応はまず期待できない。だから、東芝のようなケースに至ったのではないか…

やる方は本気だ。実際、バレたら会社の一大事、いや個人としてもどうなるか…

あっさり非を認める訳がない。

東芝の会計監査についても過去ブログに書いたが、現在の監査手法でも怪しい取引は発見されていたと思う。要は、そこから詰めきれていないのが問題なのだ、諸般の事情により…

 

過去ブログはこちら👇

東芝の不適切な会計処理 監査法人の責任は? - 溝口公認会計士事務所ブログ

 

会計監査の信頼回復ということで、何かしないといけない、それも分かりやすい形で、と言うのは分かるのだが…

一周回って、結局は、会計監査人の監査スキル、それ以前に監査クライアントとの向き合い方に尽きるのではないかと思うのだ。

もちろんAIがその力をいかんなく発揮して、僕の心配が杞憂に終わってくれればそれはそれで良いけど。

負ののれん 続編

以前、『負ののれん』についてブログに書いた。幹事の羅列が多いB/Sの勘定科目の中にあって平仮名で目立つ『のれん』、更にその上を行く『負ののれん』ということで、その存在感や際立っている・・・

ということではなくて、負ののれんの意味と発生要因についての記事だ。

一際異彩を放つ『負ののれん』とは何だ? - 溝口公認会計士事務所ブログ

 

負ののれんの発生は『訳アリ会社』の買収故といった内容だ。それはそれで間違いではないのだが、若干補足したい。

 

そもそも

買収価格の算定方法が色々ある

ということだ。

買収価格の算定には純資産法(コスト・アプローチ)、収益法(インカム・アプローチ)、批准法(マーケット・アプローチ)などがある。それぞれ買収の目的によって使いわけられる。

会計処理でのれんにしても負ののれんにしても発生するのは、

買収価格と被買収会社の純資産(一旦簿価とする)に差額

がある場合だ。

換言すれば、被買収会社の純資産の簿価以外の価格で買収する場合は、まず間違いなくのれん、あるいは負ののれんが発生することになる。買収価格の算定方法が色々ある以上、のれんの発生は不可避となる。

 

一般的には、簿価ベースの純資産には反映(計上)されていない様々な無形の資産(人材、ノウハウ、ブランド)があり、買収価格はこれらを評価して算定されるため、

買収価格>被買収会社の純資産

すなわち(正の)のれんの発生となる。

 

しかし、未だPBR<1の会社が多いことを考えると、負ののれんの発生は訳アリ会社買収とは言え、それほど稀なケースとも言えないように思える

PBR<1(PBR1割れ)、つまり1株当たり株価<1株当たり純資産。株価には純資産に反映されていない会社の様々な価値も含まれているにも関わらず、だ。

株価水準も影響もあろうが、昔は良かった(ので利益剰余金が厚い→純資産多い)けど、最近パッとしないので株価の評価が低い、という会社も少なくないだろう。そういう会社がM&Aのターゲットとされることもあろう。

 

そして、連結決算の会計処理においては、

被買収会社の純資産の内、

時価評価可能な不動産等を時価で再評価

して行う。つまり、

買収価格と被買収会社の『時価ベース』の純資産を比較

するため、被買収会社の不動産等に『含み益』が存在すると、更に

負ののれんは大きくなる・・・

例えば、

買収価格100 簿価純資産150であれば、負ののれんは50だが、

買収価格100 時価純資産200となれば、負ののれんは100となる。

 

少し古いケースだが、08年の伊勢丹三越の経営統合において、

負ののれんが700億円発生した。

(会社化する場合と、合併の場合では会社の単体財務諸表と連結財務諸表へののれんの発生の仕方は異なるが、ここではその違いは無視し、買収価額と買収先の純資産の差額にフォーカスする)

 

このケースでは、被買収会社は三越に当たる。形式的には伊勢丹三越を割安で買ったことになるが、大きく理由は2つだ。

1つ目は、

当時三越の銀座店などの土地の時価が高騰した(三越の時価純資産が大きくなる)

 

2つ目は、

三越の時価純資産(土地の含み益)が伊勢丹の買収価格に反映されなかった

 

ということだ。

要するに、伊勢丹にとっては、

三越の土地の値上がりは無視すべきものということだ

そして、三越側の株主もそれを受け入れたということだ(相当ごねただろうけど・・・)。

時価ベースの純資産による価値は、ザックリいうと保有する資産それぞれの現時点による売却価格だ。つまり、買収後、その

会社を清算して保有する資産を売却

する(で、キャッシュを回収して利回りを得る)ということになる。

対して、百貨店としての機能としての三越を買収し、統合後伊勢丹とのシナジーを期待するということになれば、仮にどんな高値で土地を評価されようが関係ないということになる。この場合は、百貨店としての三越が今後どれだけの儲け(=キャッシュ)を稼ぐのか、つまり三越将来期待キャッシュフローの現在価値が買収する値打ち、ということになる(インカム・アプローチ:DCF法)。

ということで、本件は、

売却した方が高い会社を敢えて継続させるという事例

ということだ。この点だけだと、何と不合理な!となるかもしれないが(そういう議論をちゃんとして欲しいが)、金銭的価値の評価以外の事情もあろうし、そもそも、その時価とやらで対象となる不動産をすべて売却できるとも限らない・・・相対取引だし交渉事だし・・・

そもそも、

そんな時価ってホントに時価って言える?とも・・・

 

過去にはそんな珍しいケースもあったのか、とも言えず、ここ数年も実際の事情は不明だが、同じようなケース、経営統合による『負ののれん』発生

が見られる。

 

例えば、

16年3月期 九州フィナンシャルグループ(肥後銀と鹿児島銀)負ののれん 885億

17年3月期 東京TYフィナンシャルグループ新銀行東京統合)負ののれん 194億

 

金融機関の統合は、経営環境的にも百貨店のケースと重なる部分が多いのではないかと思われる・・・

 

さらに、金融機関においては、

16年3月期 東邦銀行 持ち分法→子会社化 負ののれん 76億

13年3月期 群馬銀行 子会社持分追加取得 負ののれん 12億

29年3月期 岩手銀行 持ち分法→子会社化 負ののれん 43億

のように、グループ会社に対する支配力を強める(株式の追加取得 例100%子会社化)過程で負ののれんが計上される例も結構見られた。

業績不振のグループ会社に対する支配を強めて経営改善ということももちろんあろうが、現在の会計ルールでは、

負ののれんは発生時に一括で利益に計上される、

ということだ(伊勢丹三越の時代とは異なる)。

負ののれんの会計処理について考え方はいくつかあるが、現在の会計ルールでは、割安購入益、つまり、

安く買えたことに対する利益(好い買い物したご褒美)

ということで即時利益計上。

 

とはいえ、調子の悪いグループ会社を買い叩くことで利益が生まれる、

それって良いのかな・・・

 

 

 

 

内部留保課税は誰が得をするのか?

business.nikkeibp.co.jp

内部留保課税案が再燃しているとのこと。

政府は進まない設備投資、賃上げにいらだちを隠せないようだ。

 

昨年の麻生財相による内部留保を貯めこむ奴は守銭奴”発言について以下の記事を書いた。

内部留保の定義や何が問題視されているのか等々について書いているので、参考にしてほしい。

内部留保蓄積は『守銭奴』 ~麻生財務相発言に思う~ - 溝口公認会計士事務所ブログ

 

政府としては、ここまで言ったのにまだ改善が進んでいないのはどういうことだ!と痺れを切らしたのだろうか。

 

前記事の繰り返しになるが、貯めこんでないでおカネを使え、そして使い道は設備投資と賃上げだ、ということであれば、直接的には内部留保ではなくて貸借対照表の現金預金などの余剰資金の残高を指摘すべきだ

ちなみに、別記事では「企業が持つ現金と預金は15年度に約199兆円と内部留保全体の半分強だ」、また「企業全体の運転資金の1.6カ月分」ということで必ずしも「おカネ」を貯めこんでいるとも言えないとの指摘。

 

<内部留保>増え続け377兆円 賃上げ、投資 迫る政府 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 

もっとも、設備投資や従業員の給料を上げれば当期純利益が減少するため、当期以降の内部留保の蓄積は抑えることはできる

 

内部留保は、簡単に言うと

当期純利益から株主への配当を控除した残額の蓄積

の記録だ。

なので、例えば設備投資も在庫投資も、あるいはM&Aもおカネは使うがそれだけでは内部留保は減らない

 

したがって、内部留保のこれ以上の積み上げを抑制するには、例えば、

 

①配当性向を上げる

 

減価償却費増加(設備投資による)&賃上げ

 

といったアクションが必要になる。

②が企業に対する政府の注文に当たる。

 

ちなみに、これらは今以上の内部留保の積み上げを抑えるということであって、現在のレベルよりも減らすとなれば、当期純利益を上回る配当を継続、赤字までの設備投資&賃上げが必要となる・・・

 

これって誰が得するのだろうか?

 

①最近、株主還元を強化するため増配や自社株買いする会社も増えている。株主からすれば、投資リスクに見合ったリターンを期待して事業(会社)に投資したのだから、リターンを配当として要求するのは当然だろう。配当を要求しないとすれば、結果的にその事業に再投資するということで、元々、内部留保はそういうものだ。内部留保配当として果実(インカム・ゲイン)食べてしまうよりも事業に再投資した方が事業(という果樹)がより大きくなる(キャピタル・ゲイン)という株主の判断とも言える。

したがって、今後の事業の飛躍的な成長は期待できないから、事業の成長に当てるよりも今株主に還元して欲しいということになる。

企業が使いきれずに持ちあぐねているおカネが株主に還元される場合、株主にとっては過去に配当されるはずが内部留保された分も含めて還元されるのであり、また投資先を改めて意思決定できるという点ではこの施策は株主のため(得)と考えられる。もっとも、他のよりリターンが期待できる投資先を見つけることが前提となるが。どこからもポンポンと還元されるのもどうかと思うが・・・

 

そして、②

政府が企業に促している設備投資による減価償却増加&賃上げ

はどうだろうか?

設備のサプライヤー企業は得するというか業績は上がるだろう。ただ、多くの企業が収益性の改善の伴わない設備投資を毎期するとも思えない。というか、設備投資が促進しない最大の要因は、

・設備投資先が見つからない

・長期投資が不安視される外部環境

ではないだろうか?

かつて成功を収めた企業のビジネスライフサイクルが成熟期、衰退期を迎え、

次なる矢が見い出せない、要は①のように株主還元を強化する企業では将来の稼ぎに繋がるような設備投資のネタが見いだせないことが考えられる。

また、ライフサイクルが速いとか競合状況の激しい製品のメーカーや為替変動の影響を受けやすい企業であれば、

目下の環境下での長期的な設備投資を躊躇するかもしれない。

もちろん、こういった企業を擁護するつもりはない。同じ環境で投資機会を見出し成長している企業もある。ただ、現に二の足を踏む企業をこのような形で追い込んだからと言ってすぐに有効な投資案は見出しにくいのではないか。全員がスーパースターなわけじゃない。

ところで、間違った設備投資や賃上げで経営が傾くような企業が増加したら、どうなるのか?

例えば、法人税収は悪化するがこれは織り込み済みなんだろうか?

法人税収以前に、

設備投資、賃上げも何も肝心要の企業の存続が危うくなっては元も子もないのではないか…

 

従業員はどうか?

賃上げによる可処分所得増加となれば得になると考えても良いだろう。が、

それを引き金に消費税増税となると果たしてどうだろうか?

(消費税だけでもなさそうだが・・・)

賃上げの程度にもよるが、そのうちの幾ばくかは増税により減殺されるだろうし、心理的に悪影響となれば消費の拡大に繋がるかは不明だ。

 

また、いまや政府公認の財務指標のROE、これはどうなるのか?

設備投資による減価償却費の増加、従業員給与の増加によって当期純利益が減少すれば、当然ながらROEは低下する。

 

設備投資、賃上げは必須、かつROEも上昇させろ・・・

 

ん~かなり厳しい。

もっとも、それ以上に売上増加、粗利を上げれば良いということかもしれないが・・・

 

そして、内部留保課税だ。

ここまで言っても設備投資&賃上げしないのであれば、内部留保に課税する、というこだが、よく指摘されるように、内部留保の元になる(税引後)当期純利益は課税済みであり、これに課税するのはいわゆる二重課税となる。

同じ所得に対して2回税を課すわけであるから、これは当な正統性が必要になる。

おカネを貯めこんだ(おカネじゃないんだけど…)罰=ペナルティ

ということなんだろうけど、大義としては、

企業が自発的におカネを使わないのであれば、

国が代わりに国民のために使ってやる

ということだろうか?

 

設備投資も賃上げ、あるいは内部留保課税も

その多くは国の懐に収まるように思えてならない。

国民思いの政府に期待するしかなさそうだ・・・

 

 

 

 

MBOで事業再生できるのか? 【アデランスの例】

アデランスが14日、MBOを発表した。現経営陣が投資ファンドインテグラルと組んで、TOBにより株式取得し、17年2月を目途に上場廃止する予定とのことだ。

 

なるほどね~

アデランスは以前、米系の投資ファンドスティール・パートナーズと経営権を巡って対立、すったもんだしてたな・・・

そのあたりの経緯や今回のMBOの金額的な評価については、こちらのブログに書かれているので参照してほしい。

インテグラルによる「アデランスMBO」 ~ スティールパートナーズ、ユニゾンキャピタルを振り返る | 田中博文

 

現経営陣としては、スティール・パートナーズじゃなく、彼らが送り込んだ大槻氏ではなく、

現経営陣こそがこの会社を再生をできる唯一の存在

ということなんだろう。

上場なんかしているから、事業のことを理解もしていない自分たちのことしか考えていない『邪魔者』が入ってくるんだ。しかも短期目線で。

だから、

邪魔者が入らないような結界はって聖域を作るのだ!!

ってな感じかな。

 

別記事(日経新聞)での副社長である津村氏のインタビューにも滲み出ている。

『株価を割安に放置し、『物言う株主』に付け入るスキを与えたのは反省している。』

『(またファンドが乗り込んでくるかも)株価に左右されずに経営基盤を再構築する環境を手に入れるには非公開化が不可欠

『スティール側に『欧米の会議ではチョコレートやアメを用意するのが普通だ』、『チョコはゴディバを用意しろ』などと言われたこともあった。・・・悔しい思いをした。』

 

相当、悔しい思いをした、とか、スティールと反りが合わなかったことはわかる(笑)

 

確かにスティール・パートナーズの提案(というか要求)が短期的な彼らの利益に沿うもので、必ずしもアデランスの長期的な企業価値の向上につながるものではない、というのはあっただろう。

 

でもなあ・・・

自分たちの主張や提案がより企業価値向上につながるって主張すれば良いんじゃないのか?もちろん、主張が食い違えば論争にはなるが、どう考えても会社を食い物にして私腹を肥やそうなんて主張が上場会社で通るわけはないだろう

そもそも、スティール・パートナーズがアデランスの経営に参画するようになったのは、現経営陣の業績に業を煮やした一般の株主による定期株主総会の決議の結果だ。

その原因を作ったのは誰なのか?

株価が下がるから『物言う株主』が入ってくるスキができるというなら、

そのスキを作ったのは誰なのか?

ということだ。

 

どんな株主だって口はある。現に、一般の株主に否決された訳だし。

『物言う株主』の短期目線の経営(戦略)がダメというなら、長期的な経営戦略を示してそちらの方が企業価値が高まると議論を尽くすことはしていただのだろうか?

していたとは思うが、株価が変動すると安心して経営出来ない、なんて発言を聞くと、怪しいなあ、と思ってしまう。

株価は変動するだけで、あなたが左右されたんでしょ?

短期目線の経営の否定は、即、長期的な企業価値の向上につながるわけではない

長期的視野に立った経営は、短期的に業績を改善できない言い訳となってはいけない

 

『幸いにも当社の認知度は高い上場廃止しても、人材が集めにくくなるなどの弊害は起こらないだろう

これも副社長の発言だが、是非そうなっていただきたいとは思うが、非上場化することのリスクが顕在化しないようにしていただきたいな、と。非公開化の)問題は内部から進行する

 

ところで、会長(兼社長)と副社長とで議決権の50.1%を保有ということは、ざっと90億円程度の資金が必要になる(会長が約12%保有しているので、追加でざっと38%)。

個人資産で賄うのだろうか?もし、インテグラル経由での資金借り入れということであれば、形式的な過半数の議決権なんてのがどこまで通用するのかも疑問だ。

お金だけ出してくれて、自分たちの好きに経営させてくれるなんて、まさか本気で考えていないだろうな・・・

 

とりあえず、アデランスの経営再建を期待しておきます。