溝口公認会計士事務所ブログ

京都在住、大阪を中心に活動している公認会計士です。会計監査、内部監査代行、内部統制の構築・改善業務、IPO支援業務、原価計算制度構築・改善業務、企業価値算定業務等のコンサルティング業務を中心に活動する傍ら、グロービス経営大学院大学でアカウンティングの講師もしています。日頃の業務の中で気づいたことをブログに書いていきます。【保有資格】公認会計士(CPA)、公認内部監査人(CIA)、証券アナリスト協会検定会員(CMA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA) 

キャッシュ・フロー計算書の読み方 【久々にレクチャー系】

久々にレクチャー系。 アカウンティングのクラスで財務3表の読み方について講義をすると、P/Lに比べて キャッシュ・フロー計算書(以下、CF計算書)は分かりにくいという意見がよくある(B/Sもだけど、これはまた別の機会に)。 これって馴染みが薄いから分…

二重課税は何が問題なのか? 【希望の党の例】

ちょっと前の記事を引用。その後、内部留保や内部留保課税について様々なメディアで識者などから意見が上がり、結果として、内部留保に対する社会的な認識が高まってきたのは良いことだと思う。このブログでも過去に何度か内部留保について書いているが、こ…

中堅監査法人の合併報道に思う 【太陽・優成の例】

www.nikkei.com 中堅監査法人の太陽監査法人と優成監査法人が来年2018年7月の合併に向けて基本合意したとのこと。 基本的には大賛成だ。 予てより、中堅監査法人の統合、大きく言うと業界再編はもっと進めないといけないと思っている。 まず、品質の問題。特…

店長評価にROA導入の意図は!? 【J・フロントリテイリングの例】

www.nikkei.com 『J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店では、2018年2月期(国際会計基準)から店長の評価指標に「総資産利益率(ROA)」を導入する。従来は店舗ごとの利益が評価軸だった。より具体的に、細分化して利益を上げる意識を高める…

何故、内部留保がやり玉に挙げられるのか?

m.newspicks.com 夏休みもなくドタバタしていたら、気づけは前回のブログから1か月近く経過していた・・・ 内部留保に関するニュースが掲載されていたので久しぶりに内部留保について書いてみる。 『財務省が1日発表した法人企業統計調査によると、企業が利…

会計監査の信頼が遠く霞んだ日・・・ その2

www.nikkei.com 長くなりそうだったので分割。 その2は、内部統制監査についてだ。 これも釈然としない・・・ 日本の内部統制監査において、「不適正意見」はまず無い。 あり得なくはないが、まず無い。 まず、少し内部統制報告制度、監査制度を簡単に説明す…

会計監査の信頼が遠く霞んだ日・・・ 【東芝の限定付適正意見】

www.nikkei.com 『東芝は10日、2017年3月期の正式な連結決算(米国会計基準)を発表した。同期の有価証券報告書(有報)について「限定付き適正」の意見を監査法人から受け取り、有報も関東財務局に提出した。米原子力事業の損失の認識を巡って監査法人と意…

収益認識に関する会計基準(案)の公表に思う

www.nikkei.com いよいよか、過去ブログでも何度か紹介してきた売上に関する会計ルールの改正が具体的になった。我が国の会計ルールの設定機関であるASBJ(企業会計基準委員会)が、7/20に 『収益認識に関する会計基準(案)』を公表した。 日経朝刊(7/21…

ハイブリッド社債による資金調達の目的って何? 【ソフトバンクの例】

www.nikkei.com 『ソフトバンクグループが、近く数千億円規模のドル建て社債を発行する。調達した資金は主にサウジアラビアなどと立ち上げた10兆円規模の投資ファンドへの出資に充てる。ファンドの運用資産は5年後に最大10兆円になる見通し。ソフトバンクは…

相談役って必要なの? 【武田薬品工業の例】

www.nikkei.com 6月と言えば、3月決算会社の定時株主総会だ。 トヨタのように早期開催する会社もあるが、多くの会社は6月後半、終盤に株主総会を開催する。 今年の株主総会の争点、株主と経営者の議論の対象は、以下と言われる。 ≪3月決算定時株主総会のポイ…

重点経営指標の変化 営業利益⇒営業CF、当期純利益 【三越伊勢丹HDの例】 

www.nikkei.com 『三越伊勢丹ホールディングスは現行の中期経営計画を大きく見直す。連結営業利益で早期に500億円(2017年3月期は239億円)を達成するという目標を取り下げ、11月にも新たな中計を発表する。新中計では営業キャッシュフロー(CF、現金収支…

大抵の会社は監査制度をコケにしている 【暴露系ブログ】

headlines.yahoo.co.jp 先週、インターネットでこんな記事を見つけた。 表現はやや厳しめだが、会計監査制度の重要性、とりわけ、資本主義社会における重要性を訴える内容だ。 会計監査に長く携わってきた人間からすると、よくぞ言ってくれた!という気持ち…

減損すると来期以降の業績は良くなるのか? 【日本郵政の例】

headlines.yahoo.co.jp トール社の買収失敗の舌の根も乾かぬうちに、と言ったらいいだろうか、日本郵政が野村不動産HDの買収を検討しているらしい。 そういえば、トール社の減損発表の時も布石とも思える 「M&A戦略の方向性は正しかった」、と言っていたなあ…

不適切な会計 最近の傾向と抑制のキーは?

www.nikkei.com 『東京商工リサーチは15日、2016年に不適切な会計処理を開示した上場企業が57社にのぼり、08年の調査開始以来、最多だったと発表した。前年から5社増えた。全体の8割強を会計処理の誤りと粉飾が占めている。同社は「会計士が監査を厳格化し…

早すぎる減損の深読み 【日本郵政の例】 ~半ばボヤキ系記事~

www.nikkei.com 『日本郵政は25日、海外物流子会社で発生した損失を2017年3月期に 4003億円計上することを決めた。日本郵政の連結最終損益は 400億円の赤字に転落、07年の郵政民営化以来初の赤字となる。損失処理を優先する姿勢を市場は前向きに受け止めて…

経営者の都合で減損処理は可能なのか?【ふくおかFGの例】

www.nikkei.com 『ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は21日、熊本銀行と親和銀行の経営統合に伴って発生したのれんの残り948億円を一括償却すると発表した。2017年3月期の連結最終損益予想は400億円の黒字から548億円の赤字に転じる。』 ふくおかFG…

監査承認なしで決算発表するとどうなるのか? 【東芝の例】

headlines.yahoo.co.jp 延期されてきた東芝の2017年3月期決算の第3四半期の決算発表が本日なされた。 噂されてきたように、監査法人であるPwCあらたの監査『承認』無 しという異例の決算発表となった。 ところで、よく報道される監査法人の『承認』だが、ど…

『リキャップCB』に対する提言に思う 【ボヤキ系 箸の上げ下げまで・・・】

www.nikkei.com 『東京証券取引所は17日、上場企業が「リキャップCB」を発行する際の留意点を公表した。新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行して、自社株買いの原資とする手法で、長期投資家から「小手先の財務改善だ」との批判が根強かった。』 リ…

前受金の落とし穴 【てるみくらぶの例】

この3月は公私ともにスケジュールがパンパンで、やっとのことでピークを越えたかと思えば、もう月末・・・ ブログの更新も3週間開いていた。3週間のブランクは過去最長ではなかろうか・・・ と言っている間に、『てるみくらぶ』という旅行会社の破産申請の話…

経営トップ選任プロセスは透明であれば良いのか?

www.nikkei.com 少々古い記事ではあるが、日経によれば、 『日本経済新聞社が16日まとめた第12回「企業法務・弁護士調査」で、経営トップの選任過程の透明化が進んでいない企業が多いことがわかった。今春には複数企業でトップ人事を巡る混乱が起きたが、ト…

決算発表ポイント解説ブログ その3 【のれんの正体とは!?】

www.nikkei.com 記事は暖簾に対する監査の厳格化の潮流についてだが(それはそれで別の機会に書いてみたい)、のれんも減損の対象になるんですか!?との質問も受けることがあるので、今回はのれんの減損を取り上げる。 端的に言って、のれんは貸借対照表(B…

決算発表ポイント解説ブログ その2 【JXホールディングスの例】

www.nikkei.com 『JXホールディングスの2017年3月期は、連結経常損益が約3000億円の黒字(前期は86億円の赤字)になりそうだ。従来予想(2300億円の黒字)を上回る。昨年12月以降の原油価格が想定より高く、在庫の評価損益が改善する。灯油やガソリンなど…

決算発表ポイント解説ブログ 【IHIの例】

www.nikkei.com 決算発表解説ブログと題しながら、いきなり決算発表でない記事を取り上げてしまった(汗)・・・ この時期は3月決算会社の第3四半期(Q)決算発表の時期だ。2月中旬のタイムリミットまでこれから続々と上場会社の決算発表がなされる。また、…

2人目の社外取締役ってどんな人が適任?

2017年最初の記事はどんな内容にしようとあれこれ考えている内に、1月も半ばが過ぎてしまった・・・ で、結局、コーポレート・ガバナンス ネタ(汗) コーポレートガバナンス・コード(CGコード)導入を機に一気に火がついた社外取締役。 日本取締役協会の公…

経営トップ選任プロセスの合理化こそコーポレートガバナンス強化の本丸!?

最近の日経、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)関連の記事(特集)が取り上げられている。 2016年12月の関連記事一例 統治指針「全て順守」58% 取締役会充実に重点 企業法務・弁護士調査 2016年 :日本経済新聞 悩める会社 取締役はいま(上) …

AIは会計監査の信頼性を高めるのか? 【久しぶりのボヤキ系】

最近やたらとAI関連の情報が目につくように思う。それだけ注目すべき最先端技術であり、また多くの領域に応用展開が可能という点も話題性に繋がるのだろう。 そして、会計監査の分野にもAIを活用しようという動きがある。 記事にもあるように、新日本を始め4…

負ののれん 続編

以前、『負ののれん』についてブログに書いた。幹事の羅列が多いB/Sの勘定科目の中にあって平仮名で目立つ『のれん』、更にその上を行く『負ののれん』ということで、その存在感や際立っている・・・ ということではなくて、負ののれんの意味と発生要因につ…

内部留保課税は誰が得をするのか?

business.nikkeibp.co.jp 内部留保課税案が再燃しているとのこと。 政府は進まない設備投資、賃上げにいらだちを隠せないようだ。 昨年の麻生財相による”内部留保を貯めこむ奴は守銭奴だ”発言について以下の記事を書いた。 内部留保の定義や何が問題視されて…

MBOで事業再生できるのか? 【アデランスの例】

アデランスが14日、MBOを発表した。現経営陣が投資ファンドのインテグラルと組んで、TOBにより株式取得し、17年2月を目途に上場廃止する予定とのことだ。 なるほどね~ アデランスは以前、米系の投資ファンド、スティール・パートナーズと経営権を巡って対立…

日本企業の利益率が低い理由とは!?

bizgate.nikkei.co.jp 面白い記事があったので、少しコメント。 主張としては、 日本企業の利益率が低い(ローリターン)はローリスクによるものだから、リターンだけで(各国と)比較するべきでない。 リスクも合わせて比較すれば日本はそれほど収益性は低…