溝口公認会計士事務所ブログ

京都市在住、大阪を中心に活動している公認会計士です。日頃の業務の中で気になったことを書いています。

IFRSネタ IASB議長の発言に違和感

9/6/2014 日経朝刊より

IASB議長、「のれん」見直しも 前倒し処理しやすく :業績ニュース :企業 :マーケット :日本経済新聞

 

ただ企業によっては、巨額の損失が一気に表面化する例も出ている。同議長は「減損処理のタイミングが遅すぎる。のれんがあまりにも多く残っている」と明言した。「現在の基準が完璧でないことは認める」として、基準の見直し論議に入ったことを明らかにした。
 日本の会計基準では、のれんを毎年一定の額で費用にし、最長20年で残高をなくす決まりだ。同議長は「最長20年という期間は長すぎる。定額であることに合理的な理由もみつけにくい」として、日本の会計処理の問題も指摘した。
 今後の見直しの方向としては「(日本のように)定期的に償却していくか、より早く減損を認識するのかなど慎重に検討していく」と話した。
(以上、記事より抜粋)

ショッキングです。IFRSは原理原則のみ、国ごとに解釈本を作成することも認めないほどに個別の会計処理等、会計ルールの運用は個別に企業と会計士が議論して決定するはずです。のれんの減損と言っても、のれんの発生要因や将来の事業計画などはそれこそ企業ごとであって、減損のタイミングが早いとか遅いとか言えるのかなあ、と思います。企業ごとの判断に問題があるということになると、ルール、最速主義に移行していくのでしょうか?なんだか匂わすような記載もありますが・・・

IFRSがブレ出しているのか?よく解りませんが、のれんの会計処理に日本基準との差異が無くなる(縮まる)のであれば修正国際基準(JMIS)も必要だったのかな、と(もちろん、他にも差異はありますが)。