溝口公認会計士事務所ブログ

京都在住、大阪で活動している公認会計士です。会計監査、内部監査代行、内部統制の構築・改善業務、IPO支援業務、原価計算制度構築・改善業務、企業価値算定業務等のコンサルティング業務を中心に活動する傍ら、グロービス経営大学院大学でアカウンティングの講師もしています。日頃の業務の中で気づいたことをブログに書いていきます。【保有資格】公認会計士(CPA)、公認内部監査人(CIA)、証券アナリスト協会検定会員(CMA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA) 

IFRSネタ IFRSによる増益効果について

9/4/2014 日経朝刊より

IFRSで純利益押し上げ 大手企業、のれん定期償却なく :業績ニュース :企業 :マーケット :日本経済新聞

大手企業の間で国際会計基準(IFRS)への移行に伴い、純利益が押し上げられる例が相次ぎそうだ。日本基準と違いIFRSでは「のれん」を定期償却しないことが主因だ。今後、コニカミノルタでは120億円、花王では100億円の利益押し上げ効果を見込む。あくまで会計上の変更で企業の稼ぐ力は同じだが、計算上、投資家が指標とする1株利益が上昇する結果、株価に影響を与える可能性がある。

 コニカミノルタの2015年3月期は日本基準で作成しており、連結純利益は前期比19%増の260億円を見込む。ただ、来年6月に公表する今期の有価証券報告書からIFRSへの移行を予定している。IFRSベースの純利益は380億円と日本基準を120億円上回りそうだ。

 増益要因のうち100億円はのれんの償却がなくなることによる。同社は03年に旧コニカと旧ミノルタが経営統合して発足、この時発生したのれんの償却負担が重かった。残る20億円は工場など固定資産の減価償却方法がIFRS導入を機に、現在の定率法から定額法に変わることによる。

 移行時の利益押し上げは一過性で真の収益力とは無縁だ。ただ投資家が注目するPER(株価収益率)などの投資指標の計算には1株当たり純利益が使われる。計算上は投資家が考える適正株価が切り上がることになる。1月に導入を表明した富士通の場合、翌日の株価は13%上昇した。

(以上、掲載記事より抜粋)

 

企業としては、単に目先の利益が欲しいというだけでなく様々な事情の中でのIFRSの選択だと思うのです。このような傾向は今後も継続するだろうし、となると、やはり会計情報の利用者の理解力、リテラシーを高めていくことが重要になると思うのです。日本には4つの会計基準が併存します。日本基準、米国基準、IFRS、修正国際基準(JMIS)。一定の要件を満たす会社は、4つの会計基準から選択可能(上場している市場の要請はありますが)なわけです。4つの会計基準はお互いに相違点がありますので、結果として計算される利益にも違いが生まれることになります。となると、会計情報の読み手、利用者としては単純に会社どおしの利益の額を比較することができなくなります。この会社は、日本基準だから、米国基準を採用している会社と比べると、・・・が違うから、その分利益を調整して、なんて作業が必要になるとするとこれは大変ですね。