溝口公認会計士事務所ブログ

京都市在住、大阪を中心に活動している公認会計士です。日頃の業務の中で気になったことを書いています。

携帯電話大手の異種格闘技戦!?


Yahoo!ニュース - “通期3位転落”苦戦続くドコモ…大手3社の勢力図変わる (産経新聞)

『携帯電話大手3社の平成26年9月中間連結決算が4日、出そろった。ソフトバンクは関連会社の中国電子商取引最大手アリババ集団の米国での上場が寄与し、最終利益を前年同期比36・7%増の5607億円と大きく伸ばした。一方、新料金プランの影響で減収減益を余儀なくされたNTTドコモは、過去最高の営業利益を上げたKDDIに通期で抜かれ、上場後初めて3位に転落する見通し。携帯大手3社の勢力地図は大きく変わろうとしている。』

 

と、ドコモの苦戦を伝える報道。

 

当期第2四半期決算では、NTTドコモは辛うじて売上高、営業利益、当期純利益ソフトバンクに次いで2位を保っているが、通期ではKDDIに抜かれて3位に転落の見通しとのこと。

 

ところで、この3社、見事なまでに決算数値作成のベースとなる会計基準が異なるのである

 

NTTドコモ:米国会計基準

ソフトバンク:IFRS(国際財務報告基準

KDDI  :日本会計基準

 

さながら異種格闘技である。ルールが違うもの同士が一体どれが一番強いのかを競っているように思える。

 

会計基準が異なれば、収益や費用の金額や認識されるタイミングが異なることもある。そういうこともあって、日本基準(では欧米の投資家から認められないから)からIFRSへの移行が必要云々という意見もあるくらいだ。

その相違を無視して3社の決算数値を比較することにどれだけの意味があるのか、と思う。

 

あるいは、会計基準の差異はあれど結果としての決算数値にはさほどの差異は無く、比較するに足るということにはならないだろうか。

(もちろん、現在に至るまでに日本会計基準がIFRS等に合わせる形で改正されてきており(コンバージェンス)、会計基準間の差異が以前に比べて縮まっているからこそではあるが)

 

と、ちょっとしたボヤキ、でした。