いやはや盛り上がっていますね・・・大塚家具のお家騒動
茶化すつもりはないのだが、ここまで来るとお互い退くに引けないだろうし
行くとこまでいくしかないのかな、と。
そして、どういう形で決着するのか見ものである。
さて、本件、マスコミ的には格好のネタだろう。
家具業界のパイオニア的存在知名度抜群、業績低迷、社長解任会長復帰、さらに逆転、提訴・・・しかもその主役が創業者とその娘ときた。
さらにさらに、創業者=現場たたき上げ、一方の娘=インテリ、という構図もこれまたわかり易く人目を引く。
と言う訳で、マスコミ報道はとかく会長と社長のカラーの違いや親族の骨肉の争いをクローズアップするのであるが、争点は意外に真面にも思える。
要するに、経営者を誰にするのか、を争っているのである。そして、会社の取締役は株主総会で決議される。通常は、会社内部で取締役候補をノミネートして株主総会で選任決議を採る(株主は誰が相応しいかはっきり言ってよく分らない)。だが、大塚家具のように株主(しかも18%の筆頭株主)が取締役である場合、(ノミネートされない場合)自らが株主提案権を行使して立候補することは問題ない。取締役に選任されるかどうかは、結局は株主の総意で決議される。ある意味、ウラでコソコソされるよりも株主にとってはわかりやすいとも言える。
要は、『そんなこと内々で決めておけよ』、『表だってやるのはハシタナイ』という感覚的な部分が眉を顰めさせるのではないか。
では、株主はどんな人物を取締役(経営者)として選任したいのか?
もちろん、自分の投資を活用して最大限に収益を上げてくれる人物だろう。
言い換えると、『企業価値を最大限に高めてくれる』人物であろう。
と言うことは、『私が経営したら〇年までに売上高、営業利益率、当期純利益率、はたまたROE,ROA等の経営指標を〇%にします』(当然、前提となる市場環境の分析と具体的なアクションプランをベースに)という『事業計画』を提示することが大前提となる。提示すればOKではないが、無いことにはその合理性も検討できない。
この点、現社長は2/25に中期経営計画を提示、説明している。
http://www.idc-otsuka.jp/company/ir/tanshin/h-27/h27-2-25.pdf
一方で、会長はというと、記者会見や関連ニュースを見る限りは事業計画の提示はなされていないようだ。
これでは、株主はどちらの戦略がこれからの大塚家具に相応しいかの意思決定が難しいのではないかと思う。
また、会長の記者会見では、現社長の批判に対する反論はあるが具体的な代替案の提示はないし、現社長に対する批判も具体的な根拠がはっきりしない情緒的な印象だ。そして、他の役員、幹部社員を引き連れたパフォーマンスばかりが目立つ。一代で会社をここまでに育て上げた自身の経営者としてのカンと経験からNOということかもしれないが、それでは株主に対して自身の主張の合理性が伝わらないのではないかとも思う。
ご自身は『(大塚家具が)存続の危機にある』とのことであるが、どういう意味なのだろうか?ちゃんと財務分析を行って、どの数値が会社存続の危機にあるのかを明確に説明してほしい。
どちらの肩を持つということではないのだが、かみ合っていない感が否めない。こんなことをしていると株主はさらに会社の将来に希望が持てず、それこそ会社存続の危機に陥るのではないかと思うのである・・・
(社長は社長で米系ファンドの存在が気になるし、『外部』株主とするとちょっと・・・)