溝口公認会計士事務所ブログ

京都在住、大阪で活動している公認会計士です。会計監査、内部監査代行、内部統制の構築・改善業務、IPO支援業務、原価計算制度構築・改善業務、企業価値算定業務等のコンサルティング業務を中心に活動する傍ら、グロービス経営大学院大学でアカウンティングの講師もしています。日頃の業務の中で気づいたことをブログに書いていきます。【保有資格】公認会計士(CPA)、公認内部監査人(CIA)、証券アナリスト協会検定会員(CMA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA) 

99%減資とストップ安の関係 【シャープの例】

stocks.finance.yahoo.co.jp

 

先日の99%減資の報道を受けて、週明けの今日(5/11)シャープ株がストップ安(前日終値258円⇒本日安値178円(31%ダウン))となった。

 

株価ストップ安⇒株主価値下落???

減資は株主価値の減少につながらないのではなかったのか???

どういうこと???

と疑問に思うかもしれない。

 

減資、今回のような無償減資それ自体は株主価値には影響はない。

 

では、何故今日ストップ安となったのか?

株価は、機関投資家を初めとする投資家が会社が将来にわたって稼ぎだすおカネ(将来キャッシュ・フロー)の総額の見積現在価値(の1株当たりにした金額)をベースに安ければ買われ(株価上昇)、高ければ売られ(株価下落)るので、理屈としては将来まあそんなもんだろうという、つまり1株当たりの将来キャッシュ・フローの見積現在価値に落ち着く。そして、将来にわたって会社が稼ぐおカネは会社が発表する事業計画をベースにする(100%会社の言うままということはないが・・・)。

要するに、99%減資をせざるを得ない状況に会社を追い込んだ経営者の言う事業計画なんかまともに信じられるか!?話半分ぐらいじゃないの、100稼ぐって言っているならせいぜい50ぐらいじゃないの?ということで、投資家が会社が将来にわたって稼ぐキャッシュの見込みの評価を引き下げるため、その結果、株価が下がったということである。

 

簡単な例にすると以下(但し、発行済株式数:1株 割引率は無視)、

①将来の稼ぎの見込み総額(経営者の事業計画):1,000

②①はマユツバっぽいので話半分での評価   : 500 

ということで経営者の将来見込みの信用が半減すると株価も半減する(あくまで説明上の簡略例)。

 

経営者の事業計画に対する投資家からの信用の低下がストップ安の原因と言い換えても良いかもしれない。

 

一連のプロセスで起こるので、一見、99%(無償)減資⇒ストップ安と思われるかもしれないが、実際は、以下のイメージだろう。

 

無償減資 ⇒ そういう事態を招いた経営者への不信 ⇒ 株価下落

 

今回は、前回の増資時の事業計画(増資資金の使い道)の道半ばでの減資であったり、中小企業で課税負担軽減(という報道)が、経営者への不信感に輪を掛けた結果のストップ安ということではないだろうか・・・

 

補足:投資家は経営者の信用だけでなく、当然冷静に会社や事業自体の将来性を評価し、勿論これらが合わされて株価に反映される。本稿では経営者に対する投資家の信用に焦点を当ててみた。