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溝口公認会計士事務所ブログ

京都在住、大阪で活動している公認会計士です。会計監査、内部監査代行、内部統制の構築・改善業務、IPO支援業務、原価計算制度構築・改善業務、企業価値算定業務等のコンサルティング業務を中心に活動する傍ら、グロービス経営大学院大学でアカウンティングの講師もしています。日頃の業務の中で気づいたことをブログに書いていきます。【保有資格】公認会計士(CPA)、公認内部監査人(CIA)、証券アナリスト協会検定会員(CMA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA) 

決算書に『会社が潰れるかもしれない』情報が付いているって本当?

www.excite.co.jp

 

『2015年3月期決算を発表した上場企業2,451社のうち、監査法人から「継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン注記)」(以下、GC注記)が付いた企業は25社だった。前年度本決算(2014年3月期、27社)より2社減少し、2014年9月期中間決算(28社)より3社減少した。また、GC注記に至らないが、事業継続に重要な疑義を生じさせる事象がある場合に記載する「継続企業に関する重要事象」(以下、重要事象)は42社で、前年度本決算(32社)、前中間決算(31社)より大幅に増加した。』

 

GC?ゴーイングコンサーン?継続企業? 

実はこれ、かなりヤバい情報なのである。

最初は少し真面目に・・・

GC注記とは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在し、それを解消、改善する対応をしてもなお、事業が継続するかにどうかについての不確実性が認められる場合に決算書(財務諸表)に記載されるいわば投資家への注意喚起だ。

継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況というのは、例えば、売上高の激減、営業キャッシュ・フローの継続的な赤字、債務超過、デフォルトの危険性、会社の重要な市場、人材、得意先等の喪失などなどだ。

 

要するに、

近い将来この会社潰れるかも知れませんよ~!!

ということが 書いてあるということだ。

2015年3月決算会社の実績では、

『GC注記25社のうち、20社(構成比80.0%)が「重要・継続的な売上減」、「損失計上」、「営業キャッシュ・フローのマイナス」など、本業不振を理由としている。次いで「資金繰り懸念・資金調達難」5社(同20.0%)、「再建計画遂行中・その他」4社(同16.0%)、「金融機関や取引先などへの支払条件変更・遅延」3社(同12.0%)と続く。売上減や赤字計上など、本業悪化を理由とした注記が8割を占め、深刻な業績不振から脱却できない上場企業に継続してGC注記が付くケースが中心。債務超過企業は2社(同8.0%)だった。』注)理由は重複記載のため構成比合計は100%を超える

具体的な事例を見ると、いかにもヤバそうだということが分るだろう。

 

決算書本編(P/L,B/S、キャッシュ・フロー計算書)の数字から会社の存続の危機を読み取れる人は良しとして、会計に数字にちょっと自信のない人であればなおさら、決算書(財務諸表)の注記にGC注記が付いていないかどうかチェックすることをお奨めする。

 

ところで、GCとはゴーイングコンサーン、すなわち継続企業の略である。通常の決算書は会社は永続するもんだという前提で作成されている。

例えば、建物や設備などは買った値段から予め決められた年数で毎年減価償却費を差し引きされた金額でB/Sに表示される。100万円で買った設備を5年で均等に償却するとしたら償却費20万円/年となり、1年後のB/Sには設備は80万円(100万円-20万円)と表示される。

しかし、これは5年使い続ける、つまり会社は5年は存続するという前提での処理であり、来年潰れて無くなってしまう可能性の高い会社であればそんな悠長なことは言っていられない。今潰れたら会社から回収できるおカネはいくらかを株主や債権者は気にするので、毎年その時点での時価を鑑定でもなんでも査定してその金額でB/Sに表示することになる。