溝口公認会計士事務所ブログ

京都在住、大阪を中心に活動している公認会計士です。会計監査、内部監査代行、内部統制の構築・改善業務、IPO支援業務、原価計算制度構築・改善業務、企業価値算定業務等のコンサルティング業務を中心に活動する傍ら、グロービス経営大学院大学でアカウンティングの講師もしています。日頃の業務の中で気づいたことをブログに書いていきます。【保有資格】公認会計士(CPA)、公認内部監査人(CIA)、証券アナリスト協会検定会員(CMA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA) 

経営トップ選任プロセスは透明であれば良いのか?

www.nikkei.com

少々古い記事ではあるが、日経によれば、

日本経済新聞社が16日まとめた第12回「企業法務・弁護士調査」で、経営トップの選任過程の透明化が進んでいない企業が多いことがわかった。今春には複数企業でトップ人事を巡る混乱が起きたが、トップの後継者育成計画(サクセッションプラン)をもつ企業は27%にとどまる。企業統治改革は道半ばだ。』

 

とのことだ。記事に書かれている内容から、経営課題としては

 

・(後継)経営トップの選任プロセスの透明化

・経営トップの育成計画

 

の2つがあり、それぞれ別個に議論すべきではないのかなと思う。

 

当たり前だが、会社にとって経営トップの役割、存在は大きい。

もちろん、株式会社は合議制、取締役会があり、その中には社外の目もあり、さらには株主総会から監視され・・・とは言え、経営トップが変われば、会社の方向性も大きく変わる。それだけに、将来の経営トップをどう育成するか、は会社にとって非常に重要な課題だ。

良い例ではないが、経営トップの権限が大きということは、経営トップの考え次第では会社が不正行為に走るケースもあり得る。実際そういう事例もあるが、そうなると、資産活用が不効率だ業績が悪化などというレベルの問題ではなく、

会社存亡の危機ともなりかねない。

こういった事例が多くなると、コーポレートガバナンスも結局のところ、経営トップをどう育成するか?、にかかってくるようにも思える。

経営者としてのスキルという面では、例えば、パナソニックトヨタのように

カンパニー制を導入することにより、売上、利益(PL)だけでなく、資産(BS)の効率的な活用も意識した経営を促したりする会社もこれからは増えるだろう。そして、今後ますます問われるのは、経営トップの(企業)倫理感の養成だろう。

 

企業が経営トップ育成に今後どのような施策を導入するのか注目していきたい。

 

そして、もう1つの課題。経営トップの選任プロセスの透明化、だ。

これについては、個人的には、透明であるに越したことは無いが、二次的、副次的だと思っている。

選任プロセスが透明かどうかよりも、重要なのは適任者が経営トップになっているかどうかが問題だということだ。

例えば、『○○氏、10人抜きで経営トップ就任』といった記事を良く目にする。

こんな報道するのもどうかと思うが、それはともかく、こういう報道があること自体、従来の日本企業の多くが、経営トップは順番待ち、だったということだろう。

誰々さんの次は私、その次は彼・・・ある意味、これは選任プロセスは透明ということではないか?

しかし、その順番が来た時に、会社が抱える経営課題、それに対する自分の経験やスキルが必ずしもマッチしているとも限らない

 

過半数社外取締役で構成される指名委員会などで経営トップを選任するようになれば、内輪でこそこそでなく社外の目から公明正大に、という点で選任プロセスの透明化は図られるかもしれないが、果たして、

社外の目は会社にとって適任者を選任する目をもっているのか?

何を基準に経営トップを選任するのか?

(偉い人に多いのが『自分の経験からすれば・・・』って、それも透明性に欠けるし・・・)


会社が用意する候補者のプロフィールや選考理由、記事にあるような客観評価も含めて、を基に、という事であれば、それに対してノー、っていうのはあまり期待できないんだな…

 

あまのじゃくな私は疑問を持たざるを得ない。