溝口公認会計士事務所ブログ

京都市在住、大阪を中心に活動している公認会計士です。日頃の業務の中で気になったことを書いています。

繰延税金資産の取り崩し 【ベネッセの例】 ~小ネタ~

www.nikkei.com

『ベネッセホールディングスは6日、2016年3月期の連結最終損益が82億円の赤字になったと発表した。前の期(107億円の赤字)に続き2期連続の最終赤字。従来は38億円の黒字計画だったが、通信教育講座「進研ゼミ」の会員減に対応し販売費を積み増したため利益が減少。当該事業の将来性を見積もり直したことで税金費用も増加した。

 売上高は前の期比4%減の4442億円、営業利益は63%減の109億円だった。連結子会社で通信教育事業を担当するベネッセコーポレーションが将来の利益を見込んで計上していた繰り延べ税金資産95億円を取り崩し、費用負担が増えた。』

 

例の顧客情報の流出が発覚に起因する会員の大量退会。これに伴い、当事業事業計画を見直したところ、将来に期待できる税務上の利益(課税所得)が過去の欠損金などの将来減算一時差異(繰延税金資産の元)を上回らない金額が税金ベースで95億円、ということだ。税前利益ベースだとざっと300億円の将来利益の見込みが減少したことになる・・・

 

それにしても、95億円の繰延税金資産の取り崩しで連結最終利益が82億円の赤字ってことは、これが無かったら13億円の黒字2期連続の赤字は免れたわけか・・・

 

どういう検討の末の判断だったんだろうか?

かなりの修羅場だったのでは・・・

 

と思えば、本日原田CEO退任・・・