フォルクスワーゲンの排ガスデータ不正 〜とりあえず思うこと〜
フォルクスワーゲン(VW)が米国で販売したディーゼルエンジン車に排ガス規制を不正に逃れるソフトウェアを搭載していた問題で、VWは9/22に、これまでの内部調査で、VWグループで同型エンジンを積んで同じような事態を引き起こす可能性があるディーゼル車が、世界で1100万台にのぼることがわかったと発表したとのこと。
企業不正には、
資産横領
汚職
不正な報告
の3つの区分があり、更に不正な報告は
財務関連と非財務関連に区分される。
今回のVWのケースは、排ガス規制を不正に逃れるための対応をしつつあたかも規制適合したよう見せかけていたのだから、非財務関連の不正な報告に該当するだろう。
ちなみに、財務関連の不正な報告の代表例は粉飾決算だ。
企業不正が発覚する最も多いルートは、外部通報と内部通報だ。外部通報は、社外の取引先等の関係者からの通報、内部通報は従業員等からの通報だ。2012年の調査結果(AFCE)では、発覚した不正の内、外部通報と内部通報によるものが実に6割近く占める。日産のゴーン社長も『会社内部でそのような不正が行われていた場合、大勢の人が知っていた可能性が高いと指摘。「隠し通すことができるとは思わない」』との見解だ。不正対応のためには、社内外の通報制度をいかに整備運用するかが重要となるだろう。
と、勝手に不正発覚のルートを予想しているが、実際のところはVWの調査結果を待ちたい。
VWは、この7-9月決算に65億ユーロ(8,700億円)の特別損失を計上し赤字になると報じられている。また、調査結果次第では、米当局から最大で180億ドル(約2兆1600億円)の制裁金が科される可能性があるとも。
おそらくは利益を狙った行為であろうが、このような皮肉な結果に…
経営者は想定していたのだろうか?