溝口公認会計士事務所ブログ

京都在住、大阪を中心に活動している公認会計士です。会計監査、内部監査代行、内部統制の構築・改善業務、IPO支援業務、原価計算制度構築・改善業務、企業価値算定業務等のコンサルティング業務を中心に活動する傍ら、グロービス経営大学院大学でアカウンティングの講師もしています。日頃の業務の中で気づいたことをブログに書いていきます。【保有資格】公認会計士(CPA)、公認内部監査人(CIA)、証券アナリスト協会検定会員(CMA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA) 

店舗閉鎖損失は特別損失か? ~ボヤキ系記事~

損益計算書(P/L)関連で、小ネタを1つ・・・

 

飲食チェーン、ドラッグストアといった店舗型ビジネスのP/Lの中に『店舗閉鎖損失』、『減損損失』といった項目が『特別損失』に含まれていることが多い。

例:マツモトキヨシホールディングスのP/L

https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/E01EW/BLMainController.jsp?uji.verb=W00Z1010initialize&uji.bean=ek.bean.EKW00Z1010Bean&TID=W00Z1010&PID=W1E63011&SESSIONKEY=1429089527743&lgKbn=2&pkbn=0&skbn=1&dskb=&askb=&dflg=0&iflg=0&preId=1&mul=%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%A2%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%A8%E3%82%B7&fls=on&cal=1&era=H&yer=&mon=&pfs=4&row=100&idx=0&str=&kbn=1&flg=&syoruiKanriNo=S10029LK

出店した店舗の売上が当初から、あるいは開店後一定期間を経て収益性が悪化すると、店舗関連の固定資産の『減損損失』、その後いよいよ閉店となると新たに発生する閉店に関連する諸費用などが『店舗閉鎖損失』となる。

 

固定資産に関する売却損益、除却損失は、多くの会社の決算上、『特別損失』として処理される。これは会計ルール(企業会計原則等)上、『例示』として固定資産の除却売却損益は特別利益・損失に計上するという記載があることもあるが、原則的には、その会社にとって『臨時かつ巨額か?』の点から検討する。したがって、固定資産の除却・売却であっても、その会社のとって日常、ビジネスサイクルの一環ということであれば、特別損益ではなく、営業費用(売上原価か販売費及び一般管理費)として営業利益、百歩譲って営業外費用計上して経常利益には反映すべきであると考える。

 

店舗型ビジネスは、一般に『スクラップ&ビルド』のビジネスモデルであり、出店しても採算が採れなければ見切りつけて撤退を繰り返しながら全体として利益を挙げていくビジネスと考えられる。

とすれば、店舗のうちの何割かの閉店に係る損失を織り込んだ上で、なお営業利益がキープできるような販売計画を立てるべきであるが、このような店舗関連の損失を『特別損失』に計上してしまうと管理しにくいのではないかと思うのである。

 

一方、日本では『経常利益』が長年にわたり重視されてきており、定期的に発生する店舗関連の損失を『特別損失』とすることにより『経常利益』へは影響させないことが出来る。

 

こんなことを考えると、店舗関の損失を『外向き』(外部公表)には『特別損失』として、『内向き』(内部管理)には『販売費及び一般管理費』と、ダブルスタンダードでやっているんだろうな、とちょっとした小賢しさを感じてしまうのである。

もっとも、内部管理上も『特別損失』として採算を考えているのであれば、それはそれで心配だけど・・・