2012年の沖電気以来(かな?)の海外グループ会社の会計不祥事だ。
これにより、LIXILグループは約400億円の損失を被ることになりそうだ(さらに拡大も・・・)。損失規模は、同社の事業規模からすればそれほどクリティカルではないとは言え、クレジット市場では既に英アビバが保有CBの一部を売却するなどでCB価格の下落、さらには株価の下落と影響が出始めている。
そして、今回のドイツのグループ会社の経営破たんの原因が、傘下の中国会社における不適切な会計処理のようだと報じている。
『詳細は調査中だが、創業者らが不正を働いた疑いがあり、株主資本の半分が消失したもようだ。』
問題の中国会社(Joyou)は2014年に買収しているとのこと。M&Aに際して、ターゲットになる会社の値打がどの程度か、隠れた負債や法的な債務は無いかといった調査(デューディリジェンス DD)を行うが、その際には明らかにならなかったのだろうか?
また、買収後の財務数値に対するモニタリングについても、LIXIL側は(Joyouに対する)監査証明付きの財務諸表を使って管理をしているので、問題は監査法人にあるというようなコメントもされているようだ。
一方で、Joyouの監査法人は同社に対する2014年度の監査報告書を『撤回』すると通知するなど、混沌とした状況だ。
いずれにしても、今後のLIXILの調査、報道を待ちたいところだが、この時点でJoyouの創業者による会計不正が報じられていることから、まず間違いなく過去の決算において粉飾があったことは間違いないだろう。Joyouの創業者は、ああいえばこういうのだろうか・・・
日本企業による海外M&Aの増加の最中、改めて海外ビジネスの拡大におけるリスクポイントの把握、評価、そして対策を考える機会になりそうだ。