溝口公認会計士事務所ブログ

京都在住、大阪で活動している公認会計士です。会計監査、内部監査代行、内部統制の構築・改善業務、IPO支援業務、原価計算制度構築・改善業務、企業価値算定業務等のコンサルティング業務を中心に活動する傍ら、グロービス経営大学院大学でアカウンティングの講師もしています。日頃の業務の中で気づいたことをブログに書いていきます。【保有資格】公認会計士(CPA)、公認内部監査人(CIA)、証券アナリスト協会検定会員(CMA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA) 

コーポレートガバナンスコードの本当の意味とは?

企業統治コーポレートガバナンス)コードとスチュワードシップ・コード。出そろった2つのコード(規範)が日本の株式市場を変えようとしている。それぞれ上場企業、機関投資家に責任ある行動を求め、企業の投資価値向上という共通の目標をもつ。2つのコードが浸透すれば海外からの日本株の評価も高まり、中長期での株価上昇要因になりそうだ。』

2015年6月1日から適用が始まった企業統治コーポレートガバナンス)コード、新聞紙上でも頻繁に関連記事が掲載されており、耳にしたことがある人も増えてきていることと思う。時期的にも今年の(3月決算会社の)株主総会コーポレートガバナンスコードに関連した質問が多く出るのはと期待される(僕が出席した株主総会では無かったが・・・)。ROE改善、社外取締役複数化、持ち合い株の解消(資金事業への有効投資)等、一般の株主、投資家にとってコーポレートガバナンス企業統治に関連したテーマは関心が深いと思われる。

 

さて、コーポレートガバナンス企業統治)コードとは、金融庁東証が会社の企業統治の指針として5つの基本原則、30の原則、38の補充原則から成るコードの原案をまとめたものだ。 

東証1、2部企業は計73本の原則を実施するか、実施しない場合はその理由を企業統治報告書に明記する必要がある。法的な拘束力はないため、『Comply or Explain(同意せよ、さもなくば説明せよ)』となる。

ところが、どうも周囲から漏れ聞くところでは、73の原則に逐一額面通り対応しようとする(せねばならぬ的な)会社が多いようだ。

Explainなんてとんでもない、Comply, Comply!ということだろうか。

 

しかし、コード(指針)はともかく(というか本来指針自体も)コーポレートガバナンスは会社の企業価値向上のために、会社が自主的、自発的に取り組むものだ。73の原則は一般的な視点から各テーマに対して会社がどのように考えるのかを問題提起したにすぎず、会社の規模、業種、事業展開によって重点ポイントや優先順位も変わってくる。それぞれの会社にとって企業価値を高めるために何をすべきなのか、そのためにベストなコーポレートガバナンスはどういうものかを考えることに意義があると思う。また、その会社の考え、方針を株主の対話を通じてブラッシュアップするプロセスを通じて、結果として会社の中長期的な成長につながると考える。

なので、自社にとってのコーポレートガバナンスのあり方を考えずに、他社と同じように対応する、であったり、盲目的に全原則に形式的に対応する、というのは一種の思考停止状態、まさに本末転倒なのだと思う。また、拙速な錬金術的な金融商品によって一時的にROE等の財務指標を上昇させるなどはむしろ制止すべきだろう。

 

黙って同意(Comply)するのではなく、同意するにしても説明せよ!(Whether Comply or not, Explain!)があるべきではないかと思うのだ。