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溝口公認会計士事務所ブログ

京都在住、大阪で活動している公認会計士です。会計監査、内部監査代行、内部統制の構築・改善業務、IPO支援業務、原価計算制度構築・改善業務、企業価値算定業務等のコンサルティング業務を中心に活動する傍ら、グロービス経営大学院大学でアカウンティングの講師もしています。日頃の業務の中で気づいたことをブログに書いていきます。【保有資格】公認会計士(CPA)、公認内部監査人(CIA)、証券アナリスト協会検定会員(CMA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA) 

ソニーって何の会社? 【セグメント情報】

headlines.yahoo.co.jp

ここのところ不振がずっと続いていたソニーの、復活ののろしとなるのだろうか。『(1月)29日、同社が2015年4~12月期連結決算を発表。それによれば、売上は前年同期比0.1%増の6兆2816億円、営業利益は前年同期の2.3倍の3870億円、最終損益は前年同期が191億円の赤字であったのに対して、2361億円の黒字であった。こうして黒字となるのは、2年ぶりのことである。』

不振が続いていたソニーに久々の明るいニュースだ。ソニー世代にとっては何ともうれしい。

 

ところで、会社の業績発表では、会社全体の売上高や(営業)利益だけでなく、『事業別』の売上高や(営業)利益も公表される。ソニーでは、

 

 『今回、ソニーの2年ぶりの黒字を支えた要素、それは金融事業とゲーム事業だ。ソニー生命を中心とする金融事業の営業利益は1394億円であり、全体の1/3を占めている。ゲーム事業についても、人気ハードの「プレイステーション(PS)4」の販売が好調に推移したことにより、黒字化を推進した。』

 

ソニーって家電の会社じゃなかったっけ? 実は、ソニーは金融事業とゲーム事業が利益面では今や主役の会社であることが分かる。一方で、

 

 『ソニーの業績だが、懸念材料がないわけではない。これまで好調が続いていた画像センサーなどのデバイス事業伸びに、変化が現れ始めている。デバイス事業は同社にとって金融事業に次ぐ収益柱で、14年度のグループ連結営業利益685億円のうち、デバイス事業890億円であった。』

14年度のデバイス事業の営業利益が全体の営業利益の100%超(つまり、それ以外が全体で赤字)というのも凄いが、これまで好調だったデバイス事業を不安視する向きもある。

 

 このような事業ごとの業績などについての情報は『セグメント情報』と呼ばれる。大きな会社になると(経営)多角化が進み、いくつかの主軸事業と派生事業といった具合の複数事業を営んでいることも少なくない。当然ながら、その中でも業績の良い事業もあれば悪い事業もあるだろう。全社ベースの業績が評価となる一方で、それぞれの事業の業績も注目の対象となる。例えば、企業買収などでは買い手の会社の事業にとっては会社全体を買収することは必ずしも得策ではないことがある。(買い手の)会社にとってシナジーを期待できない事業や、ましてや赤字の事業は論外だろう。

 

会社の決算発表で公表される事業別の業績もセグメント情報の一部であるが、上場会社などが作成する有価証券報告書に含まれる『セグメント情報』が充実している。

事業別の業績もさることながら、資産(金額)や資本的支出(その事業に年間いくら投資したか)、減価償却などといった情報も記載されている。例えば、事業別の(営業)利益と資産(金額)を使うことで、簡易的な事業別のROAを計算することができる。

また、有価証券報告書は、全体として会社のセグメントを軸とした業績や将来の方向性をレポートする形式になっている。例えば、各セグメントの内容や業績に関する説明(何が貢献したとか、当期のトピックスとか)、グループ会社がどのセグメントに属するか、研究開発投資もセグメント別に開示される。

なお、会計ルールでは、セグメントは会社の経営意思決定のベースになる事業区分によるものとしている(マネジメントアプローチ)ので、セグメントは事業ごとに限らず地域ごとということもある。

 

会社の規模が大きくなり経営多角化が進むと、会社全体の業績だけでなく各事業(セグメント)の情報が注目されることになる。ビジネスサイクル、事業ライフスパンがある以上、経営として会社全体として成長させるためには、主軸の事業シナジーが効く事業を取り込みつつも、同時にピークアウトした事業の入れ替えを常に考えることが必要になるだろう。